コンピュータにはなぜ2進法が用いられる?

コンピュータの原理を学ぶ際、必ず2進法という概念が登場します。なぜコンピュータでは2進法が用いられるのでしょうか。

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【身の回りのn進法】

まずは身の回りのn進法について考えます。

n進法とは一桁の数をn個の数で表現する方法です。例えば私たちは日常で使用している数の数え方は10進数です。10進数は0~9までの10個の数を使用できます。この数の最大値である9を超えてしまうと桁が一つ上がって10になります。さらに数を増やしていき、99になるとまた桁が一つ上がって100になりますね。

普段何の疑問も持たずに10進法を使用していますが、これは我々人間の手の指の本数に由来しています。祖先は指を使ってモノを数え、その名残が定着しているんですね。

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10進法以外を用いているものの例としてよく挙げられるのが「時間」です。

60秒で1分になり、60分で1時間になりますよね。0~59の値で一桁と考えますので、この二つは60進法で表現されているといえます。時間に60進数を使用している理由としては、60進数は公倍数が多く(2,3,4,5,6,10,12,15,20,30で割ることができます)使い勝手が良いからです。これも私たちは無意識に認識していることでしょう。

それではコンピュータにはなぜ2進数が用いられるのでしょうか?

【コンピュータに2進数が用いられる理由】

2進数は、0と1の2種類の数字によって数を表す方式となります。普段生活しているうえでは、あまり慣れない方式ですよね。

結論からお話しします。コンピュータに2進法が用いられる理由は、文字や画像、音などのデータはすべて電気信号のON/OFFの組み合わせで表されるからです。

とはいってもピンとこない方がほとんどかと思いますので、例を挙げて説明します。

たとえば白黒でディスプレイ上にカーソルを表示したいとき、ディスプレイの各ピクセル

ON⇒黒、OFF⇒白 といったように出力を制御します。

矢印, カーソル, 手, ポインター, ウェブ, ねずみ, ピクセル化, ピクセル    

さらに色を増やして、「白/薄い灰色/濃い灰色/黒」の4種類で分けたければ、電気信号のON/OFFを2組用います。

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ちなみに電気信号のON/OFFを制御しているのがトランジスタという回路素子になります。ここでは詳細は割愛しますが、スイッチの役割をしていると考えてください。

ここまでは単純な場合(情報量が少ない場合)を例にとりましたが、さらに色の種類を増やしたい(情報量を増やしたい)ときはどうでしょうか。方法は同じです。ON/OFFの組み合わせをされに増やせばよいのです。ところで、ON/OFFと呼ぶのは少し大変ですよね。それではON/OFFを1/0と言い換えることにしましょう。そう、これが2進数となるわけです。

色の例を挙げましたが、文字も同様です。0と1を用いて識別番号を振ることでコンピュータ上で扱えるようになります。

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0と1だけを用いてあらゆるデータを表現できていますよね。

【まとめ】

コンピュータで2進数が用いられる理由は、文字や画像、音などのデータはすべて電気信号のON/OFFの組み合わせで表されるため。ON/OFFの組み合わせにより、これらのデータを識別、コンピュータ上で扱うことができる。