交通系ICを2枚重ねていたら改札口を通れない?
駅の改札口でエラーが出たこと、一度は経験あるんじゃないでしょうか。通勤ラッシュ時など混雑している場合は後ろの方に迷惑をかけてしまいますよね。。
あるいは改札口でのエラーが原因でスムーズに改札を通れず、電車に乗り遅れたなんて経験がある方もいるんじゃないでしょか。
おそらく皆さんの財布やカードケースには複数枚の非接触ICカードが入っている場合が多いんじゃないでしょうか。この記事では、それらの干渉によって改札口でエラーは起きるのか、について解説していきます。
【非接触ICとは?】
交通系ICは、読み取り機に触れなくても情報の読み取りが可能ですよね。これを非接触ICと呼ばれています。交通系IC以外にも電子マネーや、なんと運転免許証やマイナンバーカードにもこの仕組みは取り入れられています。
これらは無線通信の技術が用いられています。カード内部にアンテナを内蔵し、電波を送受信することでデータのやり取りをしています。BluetoothやWi-Fiといえばピンとくるでしょうか。これらも無線通信の技術を使用しています。
【非接触ICの種類】
交通系IC以外にもタッチ決済や運転免許証、社員証など様々なところで非接触ICは使用されています。これらはすべて同じ仕組みを取り入れているわけではありません。用途に応じて適切な技術を用いているのです。非接触型ICに使用されている規格を3つ説明していきます。
■Type A
メモリのみでCPUが搭載されていないタイプです。故に低コストで生産が可能となります。日本では会社のオフィス入退室の管理用などにも使われます。
■Type B
こちらはCPU搭載が必須となっているタイプです。セキュリティレベルが高いため公的認証や金融サービスで使われることが多く、銀行のキャッシュ・カードなどにもこのタイプが採用されることが多いようです。また日本では住基カードやIC運転免許証などにも採用されています。
こちらは日本の大手電機メーカーであるソニー株式会社が開発しました。FeliCa(フェリカ)が最も得意とするのは処理速度の速さです。0.1秒以内に処理を可能とする驚異の処理スピードです。この特徴を生かして交通系ICや電子マネーに多く採用されています。
【交通系IC同士は干渉するのか】
さて、本題に入りましょう。
交通系ICを複数枚重ねて財布や定期入れに入れていたら、例えば Suica(スイカ)と PASMO(パスモ)を同時に改札口にかざしたらエラーは起きるのでしょうか。
結論を言えば、エラーは非常に起きやすいです。
そもそも非接触ICは,、種類を問わず使用している周波数帯が同じであるため、電波の干渉によるエラーの可能性は潜在しています。ただし上述の非接触ICの規格や、カードの用途によって放出する電波の強さや、干渉に対する強さは異なります。
しかし種類は違えど交通系ICを複数枚重ねていた場合、これらはカードから放出される電波の強度や干渉の耐性が同等である場合がほとんどです。そのため改札口でエラーが起きる可能性は高いといえます。
片方の交通系ICが残高不足だから優先的にもう一方の交通系ICで処理される、なんてことはないんですね。
一方で、Suica(スイカ)などの交通系ICと一緒に、運転免許証などの規格や用途の全く異なる非接触ICを重ねていた場合、大概の場合はエラーは起きません。
しかし、これはあくまで交通系ICとの干渉の話です。社員証と運転免許証を重ねていた場合、会社の入門ゲートで引っかかることはあるかもしれません。
【まとめ】
Suica(スイカ)と PASMO(パスモ)など、交通系ICは非接触ICと呼ばれ、無線通信によりデータのやり取りを行っている。非接触ICには用途に応じて使用されている規格が異なり、Type A、Type B、Felicaの3種類が代表的なものである。
非接触ICの規格や、カードの用途によって放出する電波の強さや、干渉に対する強さは異なるため、すべての非接触ICで電波干渉が起きるわけではない。
ただし交通系IC同士など、企画や用途が同一のものでは干渉が起きやすく、改札口でエラーが生じることもあり得る。