雨の日に通信が遅くなる原因ってなに?
スマートフォンやPCを使用している中で、今日はやけに通信が遅いなって日ありませんか?
原因はさまざま考えられますが、ひょっとしたら天候によるものかもしれません。経験的にわかる方もいらっしゃるかもしれませんが、実は雨の日は環境によっては通信速度が遅くなるのです。今回はその原因について解説します。
【無線通信と有線通信】
本題に入る前に、おおまかな通信方式について説明します。
我々がスマートフォンやPCなどで情報のやり取りを行う「通信」は「無線通信」と「有線通信」の二種類に分類することができます。
違いはその名の通り、ケーブルを経由して通信を行っているかどうかです。
スマートフォンやタブレット端末は無線通信、PCは無線通信と有線通信の両方の場合が考えられます。会社のデスクなど作業スペースが固定されている場合は有線通信を用いる場合が多いのではないでしょうか。
【無線通信は水蒸気に弱い】
雨の日の通信速度の低下、実は有線通信なのか無線通信なのかが大きく関係しています。無線通信では、電波に情報を乗せ、大気中に伝搬させることで情報のやり取りを行っていますが、電波は水蒸気に吸収されてしまう性質を持っています。すると受信機に届く電波の量が減り通信が遅くなってしまうわけです。
【雨天時に通信速度が悪くなる条件】
具体的にどのような通信環境が天候の影響を受けやすいといえるでしょうか?状況ごとに説明します。
スマートフォンで4Gや5Gの回線を利用している場合、屋外に設置されている基地局から電波を受け取るため、雨による影響が大きいでしょう。それも基地局から遠いほど、雨が強いほどその影響は大きくなります。
またモバイルルーター(=ポケットWi-Fi)を使用している場合も同様です。モバイルルーターが通信が安定しないといわれる理由の一つとも言えますよね。
屋内で無線LANを使用している場合、雨による影響は大きくはありません。しかし一部の電波は屋外を経由して届くため、その影響は少なからずあると言えます。
屋内で有線LANを使用している場合、雨による影響はありません。ただしあまりに激しい雷雨が原因でケーブルやアンテナから通信に支障が出てしまう場合を除きます。
【まとめ】
通信方式には有線通信と無線通信の二つに分類することができる。
電波は特定の周波数で水蒸気に吸収されてしまう性質を持つため、雨天時には無線通信の速度が低下してしまう。
屋外の基地局を利用するスマートフォンやモバイルルーターは雨天時の影響を大きく受けやすい。屋内で使用する無線LANも、少なからず影響がある。
対して有線通信はほとんど天候の影響を受けない。