スマートフォンの通信が悪くなる場所とは

スマホを使っていて、電波が非常に届きにくい状況を感じたことはありませんか?

どのような状況で電波が届きにくいかを事前に知っておくことで対処が可能となりますよね。今回は、電波が届きにくいいくつかの例をご紹介いたします。

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【高層階は電波が届きにくい?】

スマートフォンは、基地局と呼ばれる電波の送受信を行う機器と通信を行っています。ビルの屋上や鉄塔など、比較的高い位置に設置されています。是非探してみてください。

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この基地局の電波は基本的に下向きに伝搬されます。そのため高層階は電波が届きにくくなります。(ただし、高層階に電波が届くよう上向きにアンテナが設置されている場合もあります。)

逆に下のほうのフロアでも基地局の位置によっては他の建物などに遮られて電波が届きにくい状況が起こりえます。

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またコンクリートで遮られた地下は全く電波が届かないかというと、そうとは限りません。ビルの地下や地下鉄の駅構内などでは、屋内基地局という設備により電波が届きやすくなるような対策がされています。

【電波は壁を通り抜けるのか?】

屋外に比べて部屋の中は電波が届きにくいと感じる人多いんじゃないでしょうか?

実は電波は金属以外の物質であれば透過する性質があります。ただし、その物質の種類によって電波の通りやすさは異なります。

たとえば風呂場等の壁材に金属製のものを使用している場合、電波の届きは悪くなります。

また木材やコンクリートも電波を減衰させる物質であり、建物の中であれば基本的には窓から電波が入ります。そのため窓の有無や大きさに強く影響します。

ちなみにカーテンはほとんど電波の減衰に影響はありません。電波の届きが悪いから、といってカーテンを開けてみても状況は変わらないということですね。

【コンサート会場では電波が届きにくい?】

コンサート会場や野球観戦など、スタジアムに人が一堂に会するとき、電波が悪いと思ったことありませんか?これにもちゃんとした理由があります。

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理由の一つとして、上記で述べたように、電波がスタジアムの壁を透過しにくいということが挙げられます。スタジアムの壁材はコンクリートや金属が用いられており、電波を減衰させるには十分と言えます。ただし、建物内にアンテナを設置しているスタジアムも多いようです。

理由の二つ目は、通信抑止装置により通信が妨害されているということです。妨害といっても、嫌がらせのようなものではありません。たとえばコンサート会場で、演奏中にのみこのような妨害電波が発信される、といったことが多いようです。

この妨害電波の仕組みとしては、携帯電話の周波数と同じ電波を強く発信し、混信もしくは電波障害を引き起こすことで正規の通信を妨害する、といったものです。

余談になりますが、北朝鮮政府や中国政府が、国民に特定のテレビチャンネルを視聴させないよう通信妨害を行っているのを知っていますか?これも同じ原理で行われているんですね。

理由の三つ目として、局所的にスマホ利用者が多いことによる通信網の渋滞です。

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ひとつの基地局から一度に送信、あるいは受信できるデータの容量には上限があります。そのため、大勢の人が同時に通信を行おうとすれば、基地局の処理の限界を超え、データの送受信の「順番待ち」状態となります。

【都心から離れるほど電波が届きにくい?】

基地局は、基本的にはスマートフォンの利用者が多い場所に多く設置されます。なぜなら、基地局を設置しているのは通信会社(ソフトバンクやドコモなど)であり、人口の少ない地域への設置は、費用に見合わないと考えるからです。あるいはそもそも基地局を設置するための電源や回線が確保できないのかもしれません。そのため人口の少ない地方部では電波が届きにくくなります。

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【まとめ】

スマートフォンは、基地局と呼ばれる電波の送受信を行う機器と通信を行っている。

基地局の位置やアンテナの向きとの関係、利用者数、電波を減衰させる壁材など、これらが要因となって電波の強度が左右される。