コンセントに接続するアース線ってなに?
コンセントから伸びている緑色の線、何だろうと疑問に思ったことはありませんか?
実はこれ、アース線と呼びます。「聞いたことがある!」という方も多いのではないでしょうか。
しかしこれは何のためについているのでしょうか?
【アース線とは】
「アース」とは、ご存じのとおり「地球」を意味します。アース線は地球につなぐ配線といえるでしょう。もう少し詳しくいうと、地面に打たれた金属棒を通して、電気を地面に流すために使用する線のことです。
【なぜ必要?】
通常、電化製品を使用する際は電化製品の内部を流れる電流が外に漏れないよう対策がしてありますが、経年劣化や破損などによりそれが発生してしまう可能性があります。電化製品には大きな電流が流れており、人体に流れ込んでしまうなど、重大な事故を引き起こしかねません。そのため電気の逃げ場を作ってあげる必要があり、アース線を用いることで電流を地面に逃がすことができるのです。
「電流が地面に逃げる」という言葉にピンとこない方も多いかもしれません。
土や岩などで構成された地面は電気通さないのでは?と思った方、その感覚は正しいです。しかし、今回の場合はもっと大きなスケールで考える必要があります。
導線に電気が流れるとき、その導線の面積は大きいほど電気は流れやすくなります。つまり抵抗値が小さくなります。無限の広がりをもつ大地はどうでしょうか。抵抗値が限りなく0に近づいた、電気の逃げ場といえるでしょう。
【どのような状況で使用する?】
感電による事故は水回りの電化製品から発生しやすいといえます。なぜなら、水分は電気抵抗が小さく、電気を流しやすい性質を持つためです。実際、乾燥した皮膚と水分の含んだ皮膚とでは、体内に流れる電流も大きく異なり、後者の場合では感電による被害も大きくなりやすいです。
そのため、洗濯機をはじめとした水回りの電化製品ではアース線が取り付けられているよう、義務付けられていることが多いです。
洗濯機のほかにも
・電子レンジ
・食器洗浄機
・エアコン
・温水洗浄便座
など、これらの製品にはアースを取り付けが必要になります。
【まとめ】
アース線は電気を地面に逃がすために必要。使用しなければ漏電などが原因で人体に大電流が流れてしまう可能性がある。特に洗濯機などの水回りで感電の危険性が高い場合に用いられる。
感電の危険性
今回は感電の危険性について考えていきます。
感電と聞いて、あまり身近に感じない方も多いのではないでしょうか。落雷や送電線からの感電をイメージするかもしれません。しかしもっと身近に感電の危険性は潜んでいます。
【ヒトに電流が流れる仕組み】
突然ですが、質問です。
高圧電線(家庭用電源の60倍の超高電圧)に、鉄棒を使うように人間がぶら下がった場合をイメージしてみてください。感電するでしょうか?
答えはNoです。なぜでしょう。
感電というのは、人体に電流が流れることを言います。上記の場合、電流は流れません。電流というのは、異なる電圧間を流れます。両手で高電圧線にぶら下がっても、両手にかかる電位は全く同じであるため、電流は流れないのです。
逆に言えば、高電圧のものに触れたとき、地面などの電位の異なるほかのものと接触しれている限り、感電してしまうのです。
【どれくらいの電流が流れたら危険?】
電流の単位に「A:アンペア」と呼ばれるものがあります。これは1秒間に流れる電気の量を表します。
電化製品で例えると、冷蔵庫には約2.5A、ドライヤーには約10A、電子レンジには約15Aの電流が流れます。当然機種にもよりますが、あくまで目安の数字だと考えてください。
さて、人間の身体にはどれだけの電流が流れたら危険と言えるでしょうか。
以下、厚生労働省のホームページからの引用となります。
いかがですか。人体って意外と繊細なんですね。
【身近に潜む感電の危険】
家庭のコンセントから得られる電圧は100Vです。この家庭用電源により感電の危険はあるのでしょうか。
オームの法則を用いて計算してみたいと思います。これは電圧・抵抗値・電流の関係を示した公式であり、
電圧[V]=電流[A]×抵抗[Ω]
で表すことができます。電圧・抵抗値・電流のどれか2つがわかっていれば、残りの一つを導くことができるというわけです。
つまり、家庭用電源に触れたとき人体に流れる電流値を計算するためには、人体の抵抗値を知る必要があります。
抵抗とは、「電流の流れにくさ」を表し、たとえば金属などの導体と呼ばれる物質は非常に抵抗値が低く、電気をよく流します。一方で、ガラスやゴムなどの絶縁体と呼ばれる物質は非常に抵抗値が高く、電気をほとんど通しません。
ヒトの身体はどうでしょうか。実は、あまり実感がないかもしれませんが、ヒトの身体も「そこそこ」電気を通します。
以下が人間の抵抗値のおおよその値です。
電流が入ってくる部分の皮膚:約2,500Ω
血液・内臓・筋肉などの体内:約1,000Ω
電流が流れていく足元の抵抗:約2,000Ω
これらを足した、約5500Ωが人間の抵抗値となります。
これと家庭用電源100Vを用いて、ヒトに流れる電流値を計算してみると
100[Ω]÷5500[Ω]≒0.018[A]
となります。上記の電流値と人体への影響の関係を見ると、非常に危険であることが分かりますよね。
ただし、ヒトの抵抗値には当然のことながら個人差はありますし、環境によっても異なります。たとえば、触れる皮膚の部分が乾燥しているかどうか。肌に水分が付着していると電気抵抗が小さくなり、電流が流れやすくなります。このような条件によっては、家庭用電源からの感電でも心肺停止の恐れもあります。
【まとめ】
感電というのは、人体に電流が流れることを言い、高電圧のものに触れたとき、地面などの電位の異なるほかのものと接触しれている限り、感電してしまう。
条件によって人間の身体の抵抗値は異なるが、家庭用電源100Vでも、人を死の危険にさらすのに十分な電流が流れてしまう場合がある。
スマートフォンの通信が悪くなる場所とは
スマホを使っていて、電波が非常に届きにくい状況を感じたことはありませんか?
どのような状況で電波が届きにくいかを事前に知っておくことで対処が可能となりますよね。今回は、電波が届きにくいいくつかの例をご紹介いたします。
【高層階は電波が届きにくい?】
スマートフォンは、基地局と呼ばれる電波の送受信を行う機器と通信を行っています。ビルの屋上や鉄塔など、比較的高い位置に設置されています。是非探してみてください。
この基地局の電波は基本的に下向きに伝搬されます。そのため高層階は電波が届きにくくなります。(ただし、高層階に電波が届くよう上向きにアンテナが設置されている場合もあります。)
逆に下のほうのフロアでも基地局の位置によっては他の建物などに遮られて電波が届きにくい状況が起こりえます。
またコンクリートで遮られた地下は全く電波が届かないかというと、そうとは限りません。ビルの地下や地下鉄の駅構内などでは、屋内基地局という設備により電波が届きやすくなるような対策がされています。
【電波は壁を通り抜けるのか?】
屋外に比べて部屋の中は電波が届きにくいと感じる人多いんじゃないでしょうか?
実は電波は金属以外の物質であれば透過する性質があります。ただし、その物質の種類によって電波の通りやすさは異なります。
たとえば風呂場等の壁材に金属製のものを使用している場合、電波の届きは悪くなります。
また木材やコンクリートも電波を減衰させる物質であり、建物の中であれば基本的には窓から電波が入ります。そのため窓の有無や大きさに強く影響します。
ちなみにカーテンはほとんど電波の減衰に影響はありません。電波の届きが悪いから、といってカーテンを開けてみても状況は変わらないということですね。
【コンサート会場では電波が届きにくい?】
コンサート会場や野球観戦など、スタジアムに人が一堂に会するとき、電波が悪いと思ったことありませんか?これにもちゃんとした理由があります。
理由の一つとして、上記で述べたように、電波がスタジアムの壁を透過しにくいということが挙げられます。スタジアムの壁材はコンクリートや金属が用いられており、電波を減衰させるには十分と言えます。ただし、建物内にアンテナを設置しているスタジアムも多いようです。
理由の二つ目は、通信抑止装置により通信が妨害されているということです。妨害といっても、嫌がらせのようなものではありません。たとえばコンサート会場で、演奏中にのみこのような妨害電波が発信される、といったことが多いようです。
この妨害電波の仕組みとしては、携帯電話の周波数と同じ電波を強く発信し、混信もしくは電波障害を引き起こすことで正規の通信を妨害する、といったものです。
余談になりますが、北朝鮮政府や中国政府が、国民に特定のテレビチャンネルを視聴させないよう通信妨害を行っているのを知っていますか?これも同じ原理で行われているんですね。
理由の三つ目として、局所的にスマホ利用者が多いことによる通信網の渋滞です。
ひとつの基地局から一度に送信、あるいは受信できるデータの容量には上限があります。そのため、大勢の人が同時に通信を行おうとすれば、基地局の処理の限界を超え、データの送受信の「順番待ち」状態となります。
【都心から離れるほど電波が届きにくい?】
基地局は、基本的にはスマートフォンの利用者が多い場所に多く設置されます。なぜなら、基地局を設置しているのは通信会社(ソフトバンクやドコモなど)であり、人口の少ない地域への設置は、費用に見合わないと考えるからです。あるいはそもそも基地局を設置するための電源や回線が確保できないのかもしれません。そのため人口の少ない地方部では電波が届きにくくなります。
【まとめ】
スマートフォンは、基地局と呼ばれる電波の送受信を行う機器と通信を行っている。
基地局の位置やアンテナの向きとの関係、利用者数、電波を減衰させる壁材など、これらが要因となって電波の強度が左右される。
Wi-Fiの2.4GHzと5GHzとは?どちらを使うべき?
みなさん自宅でWi-Fiの設定を行うとき、Wi-Fiのルーター裏面に書かれているSSIDと暗号キーを確認しますよね。
このときSSIDが2種類存在しているのご存じでしたか?
Wi-Fiは「2.4GHz帯」と「5GHz帯」の2つの周波数帯で利用が可能なんです。
周波数帯ってなに?どちらを使えばいいんだろう?と考えた人も多いんじゃないでしょうか。
今回はそれぞれの特徴について説明します。
【周波数のちがいによる物理的な影響】
無線通信は電波に情報を乗せて大気中に伝搬させることで通信を行っています。ここで「電波」とは電気エネルギーの「波」です。目に見えるものではないのでイメージが付きづらいかと思いますが、波ということはある周期で振動をしているんです。周波数とは、この電波が1秒間に何回振動しているかを示し、「Hz」という単位で表されます。
電波に情報を乗せているということは、振動数が大きいほど一定時間あたりに送れる情報量が多くなります。それはつまり通信速度が速いということを意味しており、基本的には2.4GHz帯よりも5GHz帯を使用したほうが快適な通信が可能です。
一方で、周波数が高いということはメリットばかりではありません。
周波数が高いほど、大気中の物質(酸素や水蒸気など)に電波が吸収されやすくなるため、遠距離の通信が難しくなります。
また周波数が高いほど電波の直進性が強くなり、障害物があると電波が届きにくいという難点もあります。
余談ですが、スマートフォンの移動通信4Gから5Gへ移行も、通信に使用している周波数帯を高くしているんです。その恩恵として非常に速い通信速度が実現されていますよね。しかしこれも電波の届く領域が狭いという課題があり、基地局の増設など様々な工夫がされているのです。
【周波数割り当て】
ここまでで電波の物理的な特徴から、周波数の違いを説明しました。しかしもう1点、懸念すべき点があります。それは周波数の割り当てです。
今や様々な電子機器が無線通信を行っており、電波を発していますよね。車のセンサであったりワイヤレスイヤホンなど。これらを作るメーカーは自由に周波数を決めてよいわけではありません。なぜなら、同一周波数で通信を行おうとすると「電波干渉」と呼ばれる通信障害が発生してしまうからです。そのため、国際的に通信規格というものが定められており、通信の種類ごとに使用可能な周波数帯が決められています。
Wi-Fiの場合は2.4GHz帯と5GHz帯が割り当てられています。実は5GHz帯はWi-Fi以外でほとんど割り当てがありませんが、2.4GHz帯は電子レンジやBluetooth機器などでも使用されている普及型の周波数帯です。そのため通信の速度が低下したり、接続が突然途切れたりする可能性があります。
【どちらを使うべき?】
基本的には5GHz帯を使用したほうが通信速度が速いため推奨されます。しかし、ルーターが遠い位置にある場合や壁などで電波が遮られている場合、電子レンジなど電波を妨害するものが近くに設置してある場合は、かえって通信速度が低下する可能性があります。そういった場合は2.4GHz帯の使用に変えてみるのがいいでしょう。
【まとめ】
電波は周波数が高いほどたくさんの情報を伝搬可能。しかし通信距離が短くなり、直進性が強まる。
2.4GHz帯は他の電子機器の電波と干渉する恐れがある。
基本的に5GHz帯の使用を推奨。ただし通信に問題が生じた場合2.4GHzを使用する。
雨の日に通信が遅くなる原因ってなに?
スマートフォンやPCを使用している中で、今日はやけに通信が遅いなって日ありませんか?
原因はさまざま考えられますが、ひょっとしたら天候によるものかもしれません。経験的にわかる方もいらっしゃるかもしれませんが、実は雨の日は環境によっては通信速度が遅くなるのです。今回はその原因について解説します。
【無線通信と有線通信】
本題に入る前に、おおまかな通信方式について説明します。
我々がスマートフォンやPCなどで情報のやり取りを行う「通信」は「無線通信」と「有線通信」の二種類に分類することができます。
違いはその名の通り、ケーブルを経由して通信を行っているかどうかです。
スマートフォンやタブレット端末は無線通信、PCは無線通信と有線通信の両方の場合が考えられます。会社のデスクなど作業スペースが固定されている場合は有線通信を用いる場合が多いのではないでしょうか。
【無線通信は水蒸気に弱い】
雨の日の通信速度の低下、実は有線通信なのか無線通信なのかが大きく関係しています。無線通信では、電波に情報を乗せ、大気中に伝搬させることで情報のやり取りを行っていますが、電波は水蒸気に吸収されてしまう性質を持っています。すると受信機に届く電波の量が減り通信が遅くなってしまうわけです。
【雨天時に通信速度が悪くなる条件】
具体的にどのような通信環境が天候の影響を受けやすいといえるでしょうか?状況ごとに説明します。
スマートフォンで4Gや5Gの回線を利用している場合、屋外に設置されている基地局から電波を受け取るため、雨による影響が大きいでしょう。それも基地局から遠いほど、雨が強いほどその影響は大きくなります。
またモバイルルーター(=ポケットWi-Fi)を使用している場合も同様です。モバイルルーターが通信が安定しないといわれる理由の一つとも言えますよね。
屋内で無線LANを使用している場合、雨による影響は大きくはありません。しかし一部の電波は屋外を経由して届くため、その影響は少なからずあると言えます。
屋内で有線LANを使用している場合、雨による影響はありません。ただしあまりに激しい雷雨が原因でケーブルやアンテナから通信に支障が出てしまう場合を除きます。
【まとめ】
通信方式には有線通信と無線通信の二つに分類することができる。
電波は特定の周波数で水蒸気に吸収されてしまう性質を持つため、雨天時には無線通信の速度が低下してしまう。
屋外の基地局を利用するスマートフォンやモバイルルーターは雨天時の影響を大きく受けやすい。屋内で使用する無線LANも、少なからず影響がある。
対して有線通信はほとんど天候の影響を受けない。
文字化けってどうして起こるの?
ホームページを開いたとき、不意にゾクッとする瞬間。皆さん経験あるんじゃないでしょうか?見慣れない記号の羅列... そう、文字化けです。
コンピュータのバグかな?と思って再度開いても同じです。バグではありません。では、なぜ文字化けが起こるのでしょうか?
【コンピュータ上の言語】
我々は普段、無意識のうちに1~9の数字で表される10進数を用いています。しかしコンピュータ上では0と1のみを用いる2進数が用いられます。
コンピュータ上では、文字は2進数の数字に割り当てられています。
これを「コード化」と呼びます。たとえば「A」は「01000001」といったように。コンピュータには「A」という文字は理解できないのです。
【様々なコード体系】
上の例では8桁の2進数を用いました。つまり2の8乗通り(=256通り)の文字を表現することができ、アルファベットや他の記号を表すだけなら十分といえます。
しかしそれらに加えて日本語を表したいとすればどうでしょうか。ひらがなやカタカナだけでなく漢字まで表現したいとなるとさらに大きなデータ(2進数の桁数)が必要になりますよね。2の16乗通り(=65536通り)程度あれば十分でしょうか。
さらにアラビア文字、ハングル文字、、といった世界中の文字を加えたらどうでしょうか。
すべての文字や記号を同一のコード体系で表そうとすると、ひとつひとつの文字に大きなデータ(2進数の桁数)が必要となり、コンピュータで処理したり、送受信に時間がかかったりと不便なのです。
そのため、用途や歴史的事情によって様々なコード体系がつくられました。
代表的なものとして「ASCII」と呼ばれるものがあります。
これはアルファベット・数字・記号などを7ビットの情報量(最大128文字)で表現するコード体系です。コンピューターの処理単位は8ビットで256文字を扱うことができ、残りの128文字分はメーカーや国により異なる文字や記号が収録されています。
日本語用の文字コードとしては、「Shift-JIS」などがよく用いられます。やはり日本語はな文字の種類が多く、16ビットで構成されるコード体系となります。
【文字化けが起こる原因】
先に述べたように、文字のデータ量を削減するために、環境によって様々なコード体系が用いられていますが、その代償といえるものがあります。それが「文字化け」です。
書く側と読む側のコード体系が異なると、どのようなことが起こるでしょうか?
対応する2進数データも異なるために文字化けが起きてしまいまうんですね。
「こんにちは」⇒「縺薙s縺ォ縺。縺ッ」
【まとめ】
コンピュータ上では文字は2進数の数字に割り当てられる。ただしすべての言語を同一のコード体系で表すことは現実的ではない。そこで様々なコード体系がつくられた。
しかし、書く側と読む側のコード体系が異なると、対応する2進数データも異なるために文字化けが起きてしまう。
コンピュータにはなぜ2進法が用いられる?
コンピュータの原理を学ぶ際、必ず2進法という概念が登場します。なぜコンピュータでは2進法が用いられるのでしょうか。
【身の回りのn進法】
まずは身の回りのn進法について考えます。
n進法とは一桁の数をn個の数で表現する方法です。例えば私たちは日常で使用している数の数え方は10進数です。10進数は0~9までの10個の数を使用できます。この数の最大値である9を超えてしまうと桁が一つ上がって10になります。さらに数を増やしていき、99になるとまた桁が一つ上がって100になりますね。
普段何の疑問も持たずに10進法を使用していますが、これは我々人間の手の指の本数に由来しています。祖先は指を使ってモノを数え、その名残が定着しているんですね。
10進法以外を用いているものの例としてよく挙げられるのが「時間」です。
60秒で1分になり、60分で1時間になりますよね。0~59の値で一桁と考えますので、この二つは60進法で表現されているといえます。時間に60進数を使用している理由としては、60進数は公倍数が多く(2,3,4,5,6,10,12,15,20,30で割ることができます)使い勝手が良いからです。これも私たちは無意識に認識していることでしょう。
それではコンピュータにはなぜ2進数が用いられるのでしょうか?
【コンピュータに2進数が用いられる理由】
2進数は、0と1の2種類の数字によって数を表す方式となります。普段生活しているうえでは、あまり慣れない方式ですよね。
結論からお話しします。コンピュータに2進法が用いられる理由は、文字や画像、音などのデータはすべて電気信号のON/OFFの組み合わせで表されるからです。
とはいってもピンとこない方がほとんどかと思いますので、例を挙げて説明します。
たとえば白黒でディスプレイ上にカーソルを表示したいとき、ディスプレイの各ピクセルで
ON⇒黒、OFF⇒白 といったように出力を制御します。
さらに色を増やして、「白/薄い灰色/濃い灰色/黒」の4種類で分けたければ、電気信号のON/OFFを2組用います。
ちなみに電気信号のON/OFFを制御しているのがトランジスタという回路素子になります。ここでは詳細は割愛しますが、スイッチの役割をしていると考えてください。
ここまでは単純な場合(情報量が少ない場合)を例にとりましたが、さらに色の種類を増やしたい(情報量を増やしたい)ときはどうでしょうか。方法は同じです。ON/OFFの組み合わせをされに増やせばよいのです。ところで、ON/OFFと呼ぶのは少し大変ですよね。それではON/OFFを1/0と言い換えることにしましょう。そう、これが2進数となるわけです。
色の例を挙げましたが、文字も同様です。0と1を用いて識別番号を振ることでコンピュータ上で扱えるようになります。
0と1だけを用いてあらゆるデータを表現できていますよね。
【まとめ】
コンピュータで2進数が用いられる理由は、文字や画像、音などのデータはすべて電気信号のON/OFFの組み合わせで表されるため。ON/OFFの組み合わせにより、これらのデータを識別、コンピュータ上で扱うことができる。